借りていた駐車場に知らない車が止まっていた話

 

 

There is a car.

 

日本語訳すると「車がある」だ。今になっても思うが、誰がこんな簡素な文章を日常会話で発するだろう。英語の教科書に出てくる英語はこういった文法を学習するのに特化したものが多く、咄嗟に感情的に口にでるものはないのではないだろうか。

せめて、Is this a Supra?とかにしてもらいたいところだ。

 

脱線してしまった。

 

散々平素だとか普段使わないとか言っておきながら、思わず口から「そこに車がある」と言ってしまった時の話を今日は書く。

 

休日、昼過ぎに車で買い物に出かけた。時間にしておよそ30分くらいだったと思うが、戻ってきたら「そこに車がある」状態だった。

駐車場は6台分のスペースがあり、現在契約しているのは4台分なので、とりあえず空いてるスペースに車を止めて現車確認をする。

車種は旧型ハリアーで県内ナンバー、タイヤを触ったらまだ温かったことから、止めてすぐだと分かった。ドラレコが付いているし変な傷もないから、盗難車ではなさそう。運転席を覗くと、女性が好むデザインの座布団が置いてあった。住んでいるのは比較的学生が多く住む街で、近所にはコインパーキングもあるし、地下鉄やバスのアクセスも悪くはない土地だった。

 

なんとなく犯人像に当たりがついた。おそらく、親の車を借りて遊びにきた学生が、駐車料金数百円を節約するために、空いてたところに止めてそこに私が帰ってきたわけだ。

 

ハリアーにおしっこかけてやろうかとも思ったが、まずは冷静に管理会社に電話。ただ繋がらなかった。変なことされても困るので、近くの警察署に電話してことの経緯を話し、現場に来てもらい状況をお見せする。

 

「そこに車があります。」

 

その場で無線で本部に連絡しナンバー照会をしていたようだが、盗難車でないことがわかると、そそくさと帰って言った。

私有地は公道じゃないから何もできないワン!

 

ただ、どうやら警察も管理人に連絡していたらしく、管理人が駐車場にやってきた。管理人はハリアーを見て呆れ返っていたし、警察が既に帰ったことにも驚いていた。

 

その場で色々話し、今日はもう車に乗らないということを伝えると、じゃあ塞ぎますかということでハリアーが出られないように管理人の車を移動した。自分の車も出られないが、ハリアーが困ってくれた方が嬉しいという理由だ。

 

というわけで、そのあとは普通に買い物に出かけ晩飯まで済ませた。

 

ただ、やはり気になるので、散歩がてら車を見にいってみた。

すると、持ち主らしき人間がハリアーの周りをぐるぐると回っていた。There are two mans around Harrier.

ざまぁないと思いつつ、奴らにバレないように管理人に電話した。

「犯人いますけどどうします?」「放っておいて下さい、警察案件にするので本人から自首させます」「クソワロタ」

 

ということで聞こえるように大爆笑をお見舞いして上機嫌で家に帰った。

その後、管理人がインターホンを鳴らしてきて、とりあえず解決したから車は明日以降戻しておいて下さいとのことで、今回は無事解決した。

 

その後の彼らがどうなったかというと、完全に憶測だが、彼らは2時間以上車を出せず、考えあぐねて警察に連絡するもスルー、そのあと管理人に連絡して無断駐車○万円を払ったんだと思う。よくあるあれ、法的拘束力は無さそうだが、武力行使されたら払わざるを得ないのでよくできた手だと思う。

 

ちなみにだが、このパターンの最良の策は、警察に連絡せず、管理会社にレッカーで車を公道に引き摺り出してもらい、その後駐禁を切ってもらうことのようだ。

もちろん勝手に車を移動するのはダメだが、証拠を残さないようにうまくやってくれる業者があるとかないとか。まぁ、このあたりはあまり触れないでおく。

 

まぁ、結果的に彼らはせいぜい2時間バイトすれば稼げた駐車料金をケチったがために、2時間以上ロスし、数万円払ったわけだ。完全に自業自得である。一方で管理人や警察、僕はただただ時間を取られた。時間は返ってこない。時給の高い人間は休日だって時給並みの価値があるということを理解してほしいものである。まぁ薄給サラリーマンなんですけどね。

 

保険も駐車料金も同じ、払えないなら乗るな、である。

 

車関係でよくないことばかりだから、今週はお払いにお金払うことにする。

There is no money.