無保険の外国人に追突された話 The Final

ダッダッダッダッダ

一人のスーツを着た男性が、マイクを右手に持ちながらカメラに向かって走っていく

左手には、白い筒状のものが、およそ30cmくらいだろうか、とにかく大事そうに握られていた

男性は器用にその筒を広げ、カメラにはっきりとした声で叫んだ

 

「勝訴!勝訴です!」

 

ってなわけで、2020年9月に無保険の外国人に追突された話がやっと終了した

実際に出廷したわけではないし民事なので有罪もクソもなく、イントロはあくまで妄想ね

 

先に結論だけ言うと、事故では総額100万円くらい入ってきた

区分けを伝えると、以下の3点

① こちらの人身に対して、相手の自賠責会社から支払われた分

② こちらの物損に対して、自分の車両保険を使った分

③ こちらの慰謝料に対して、相手の自賠責会社から支払われた分

詳しく解説していく

 

① こちらの人身に対して、相手の自賠責会社から支払われた分

タイトルでも相手が無保険って言ってたけど、それはあくまで任意保険に加入なしであって、自賠責(強制保険)は加入していた

事故当初は物損だったが、首と腰が痛かったため通院し診断書を発行してもらい、事故を処理してくれた警察に出頭して切り替えをするのが第一歩になる

そこから、外科に通院してリハビリと治療を受け、自身の保険代理店から相手の自賠責会社に通院分を、自身の任意保険からお見舞金をいただく形になる

とにかく在宅勤務やら離業を使って時間を捻出するので通院は結構大変だったが、体の調子もよくならないのでひたすら通院した、これが結構後々大事になる

受け取りはざっくり40万円くらいのイメージ

 

② こちらの物損に対して、自分の車両保険を使った分

残念ながら、これは自賠責保険の対象外なのでどうしようもない

自賠責は対人3,000万円まで、対物は0円(人間1人のいのちが3,000万円のワケない)

相手に物損分を請求するには、弁護士を立てて損害賠償請求をかける、無視されたら(というかほとんどの場合は無視してくるが)裁判所を通じて強制執行し、財産差し押さ、そこから振り込まれる形になる

正直相手は、金がないから任意保険に入っていないので、差し押さえで修理代を回収できる見立てはかなり薄く、ほとんど泣き寝入りの世界

 

事故られた車は乗り換え予定のため修理するのはやめ、時価物損額を保険代理店のアジャスターに算出してもらい、2等級ダウンして物損額を補填してもらった

これで結果的にはざっくり30万円くらい得たわけだが、車の下取り価値は低下、等級ダウンによる保険料の増加、次回事故を起こした時の更なる保険料増加リスクを負う必要があり、これが一番被害を被ったところだと思う

保険を使った以上は無保険外国人への請求権は自身の保険会社に移ったが、おそらく回収できていないと想定している

 

③ こちらの慰謝料に対して、相手の自賠責会社から支払われた分

①②は実は結構あっさり解決していて、最後の③が2年近くかかった事案

さすがに納得できる内容じゃなかったので、弁護士費用特約を使って弁護士を召喚、この事故でこちらが負った被害を金額に換算し、無保険外国人とその自賠責保険会社に請求、これの金額換算が通院回数を基準になっている

裁判所から和解勧告が出され、平和的解決手段といてこちらの請求額の9割支払いを裁判所が提示、こちらは幾ばくでも請求できれば良いので、9割を許諾し、相手の自賠責保険会社もそれを飲み込んだ形となった

これが1割減した後の金額で、ざっくり40万円くらい

かなりのやり取りを弁護士と行い相当の時間をかけなんとか相手の自賠責からお金を獲得してもらった形となった

これは正直弁護士の力量にもよる部分で、もし弁護士費用特約がなければかなり獲得は少なかったものと想定される

 

ってなわけで、足掛け2年でやっと事故の一件が片付いた

厳密にいえば、裁判所から提示された金額のうち9割しか支払われていないわけで、残りの1割分にはまだ請求する権利は残っているらしいが、これはもう費用と工数に見合わないのでどうこうするつもりはない

 

なんとか前向きに考えるなら100万円獲得できたとも言えるが、後ろ向きなことを考えると、こちらは体や車にダメージを負い、保険の等級が下がり、相当な時間を費やしたことには変わりはない

 

そもそもこの事故がなければこんなにモヤモヤした気持ちにはならなかったし、万一事故があったとしても相手が任意保険にさえ入って入れば、車のダメージや保険の等級ダウンや時間の浪費は避けられた事案であることには違いはない

加えて、無保険の外国人は、自分の車の修理代を出すだけしかお金はかからず、無保険であることによる金銭的ダメージも時間の浪費も一切負っていない

 

最近いろいろと話題になっている「無敵の人」の実害を痛感した

もしこちらが死亡してたり重大な障害を負ったり車が大破して使用不可となっていたとしても、無敵な人は無敵なので無敵である、ということだ

 

改めて、自分の身は自分で守ることが大事ですね

もし無保険の人間から追突された場合は、(1)人身事故に切り替えて、可能な限り通院しましょう (2)心折れたら1円も請求できないという気概を持ちましょう という、なんともふわっとしたアドバイスしかできないが、なんかあったら質問くださいな