昔懐かしのガラケーに想いを馳せた話

iPhone12の発表があった。あまりスマホには明るくないので詳細についての言及は避けるが、どうやら新しい機能がついているらしい。

 

なぜ新商品にワクワクしなくなったのか、なぜ知ろうとしなくなってしまったのか、曲がりなりにもメーカーで商品企画やマーケティングをやっている人間として考えてみたところ、不便を感じながらも昔が良かったのかもしれないという仮説にたどり着いた。

 

そこで今日は、完全に自己満足の世界だが、過去に使っていたガラケー達、歴戦の雄を振り返ってみたいと思う。

 

驚くことに、当時使っていたキャリアにガラケー図鑑サイトが載っていたので、画像と時期を頼りに当時の携帯を探り出してみたので多少記憶違いがあるかもしれないので、その点はご了承いただきたい。

 

1. au W31T

https://time-space.kddi.com/ketaizukan/2005/17.html

 

忘れもしない、私のデビューケータイである。

当時は中学生で、学内テストで10位以内に入ればケータイを買ってあげるという交換条件をクリアし入手したものだった。自分だけの世界を手に入れ、友達とメールができると思うと本当にワクワクしたのを覚えている。

実態としては契約プランはパケ放題なしであったため、ニュースを見ることもゲームをすることもできず、着うた全盛の時代なのに初期設定の黒電話の着信音を使っていたクソダサガラケーだった。

このケータイはSDも入らなければ赤外線通信もなかったので、友人のケータイで1番データ量の軽そうな画像を送ってもらって待ち受け画面に設定していた。なんとも情けない話だ。

結局、プランが言うほど安くないことや両親がキャリア乗り換えをするということで、すぐ解約してしまった。

 

2. Vodafone 803T

https://www.softbank.jp/mobile/support/product/vodafone_803t/

 

au時代の基本プランを踏襲しながらvodafoneに乗り換えることになり、このケータイを選んだ。

携帯を閉じたままでも音楽再生ができるので、ウォークマンを持っていない当時の自分にとっては救いの一手だった。パケ放なしはもちろん継続だったが、CDをMP3形式に変換し、ケータイに付属のソフトを使ってSDカードに書き込めたため、パケットを使用することなく音楽を存分に楽しめた。

難点はとにかく分厚いことで、少年ジャンプくらいの厚みがあった。

ケータイを閉じてもディスプレイ表示ができたため、気になる女の子からメールの通知を親に見られて恥ずかしい想いをしたりもした(日直よろしく、あたし朝弱いから職員室に寄ってくれ的な内容がほとんどだったと思う)

 

 

3. SoftBank 912T

https://www.softbank.jp/mobile/support/product/912t/

 

これ、まぢ、最強。ヮラ

ワンセグ付き、画面切り替え可能、予測変換付きというとんでもない優れものだった。そして、最もセンター問い合わせされたケータイと言っても過言ではない。

高校生の頃、文化祭で声かけた女の子とメールしたり、友達の紹介の女の子とメールしたりして返信が待ち遠しかったことももちろんだが、それよりも震災を乗り越えたことが大きい。

その日、大学受験の後期試験で盛岡に試験を受けに行き、ホテルに着いてすぐに地鳴り、停電となった。過去に住んでいた土地とは言え、こちとら高校生1人、電話もつながらない、パケ放題じゃないからニュースも見れないという状況だった。それを救ったのは紛れもなくワンセグとセンター問い合わせだったと思う。加えて、乾電池で容易に充電できたことも強かった。そのあと普通に落ちて浪人した。

ただ、浪人中もワンセグのみで臥薪嘗胆し、勉強に励んだことでなんとか大学に合格。入学して早々に手が滑って地面に落とし、補修部品がなくなったことから、苦楽を共にしたケータイはあっけなく引退し、それ以降スマホライフを送ることになりパケ放題となったのであった。

 

書いてみて改めて思ったことだが、昔はケータイショップや家電のケータイコーナー見る時はワクワクしたものだった。それぞれのメーカーに個性があって、新機能があって、それでもどことなく不自由で。メールなんか当たり前のように引き継げないし、アドレス変更連絡でメーラーデーモンさんから返信がたり。ただ、それこそがガラケーの良さだったのではないか。

今や、家電屋にいってもありきたり統一プラットフォームのスマホしかないうえに、ハイエナのような目つきをしたケータイ勧誘スタッフを振り切らなければならなくなった。そして、スマホの機種変更をする時には簡単にデータを引き継げてしまうことになった。

 

もちろん便利になったのは大変に良いことだとは思っているが、この不便さと種類の豊富さこそが機種単体への愛着や興味を引き立ててくれたんだろう。

 

全てが便利になったユニットに愛着を持てる日は来るのか?